SSブログ

「ピアノの森」に見る”正しい音楽”とはなにかについて [音楽]

「ピアノの森」とは週刊「モーニング」に連載中の漫画であり、現在コミックが17巻まで出て
います。作品の詳細はここをご参考に。

以下、読んでない方は多少のネタバレ注意をお願いします。(^^)

その17巻の冒頭の場面、ショパン・コンクールにてポーランド人のピアニスト、アダムスキ
が1次予選で落選した理由を審査員が記者会見で説明するくだりがあります。
ショパン・コンクールは”ショパン”の為のコンクールでもあり、よりショパンに近い方が優れて
いる。アダムスキが弾いたのは審査員が考える”ショパン”とかけ離れている為だと。
では、それはなにか? 答えはショパン直筆の楽譜に忠実であること。なぜなら楽譜はショ
パンが後世の人に託したの「遺書」であるからだというわけです。その中で個性を出すのは
良いが、それ以外はNOであると。

しかし納得のいかない質問した記者は、原典から派生したいわゆる「改訂版」と呼ばれる楽
譜は正しいものと考えるのかと食い下がります。原典でさえ研究され尽くされていないのに、
しかもコンクールで推奨されている改訂版の楽譜もあるじゃないか、審査員の考えるショパン
だけが正統なものであると言えるのかと続けますが、そこで退場させられます。

のだめでも出てきましたが、クラシックでは一般に楽譜通りに弾くことが要求されます。でな
いとその曲や作曲家を理解していないことになる。シュトレーゼマンもブラームスには無駄な
所が1つも無いとも言っていました。その通りであるとは私も思いますが、原典のみが正統で
あるという考えにはちょっとなあと思いました。それが必ずしも「良いもの」とは限らないような
気がするのです。この物語はもちろんフィクションですが本当のコンクールではどうなのですか
ねえ?

ショパン生誕今年で200年、亡くなって161年。本人に聞くわけにもいかず(^^;) 詮無いこ
とですが、その辺の事はどう思っていたのか興味があります。また、現役の作曲家、演奏家
の方々の考えもお聞きしたい気もします・・。

nice!(1)  コメント(5)  トラックバック(0) 
共通テーマ:音楽

nice! 1

コメント 5

shingo

おはようございます。
私はまるっきりの音楽オンチなので
あまりわかりませんが
作曲者の人柄や生活環境などを
研究して考えて心の経緯など探求して
弾き方を考えるのも
異端ではない気がします。
決め付けてしまうことこそ
おかしいかも?
素人考えですが・・・・。
by shingo (2010-03-30 07:58) 

jigen

色々調べて見ると実際のショパンコンクールでも
同じようなことがあったようです。
イーヴォ・ポゴレリチというユーゴのピアニストが
出場したとき、あまりの奇抜な演奏に大半の審
査員が否定し、本選落選となったところ、審査員
のピアニスト、マルタ・アルゲリッチが抗議の辞任、
退場をしたため審査員特別賞を贈られることになっ
たそうです。
演奏者本人の解釈の上での表現があっても良いと
私は考えますが、こと、コンクールとなるとそうもいか
ないのかもしれませんね。
by jigen (2010-03-30 22:54) 

jigen

greengさん、niceありがとうございます。
また、時々のぞいてみて下さいね。
by jigen (2010-04-04 00:06) 

ChopinLove

なんか…
「『その人の演奏をまた聴きたいと思うか』で見る」
と、確か今度ショパンコンクールの
審査員を務める小山実稚恵さんは言ってた気がします♪

by ChopinLove (2010-04-04 16:53) 

jigen

ChopinLoveさん、東京はいかがですか?(^^)

>「『その人の演奏をまた聴きたいと思うか』で見る」
正解ですね。曲の研究ならいざ知らず、聴衆あっての
演奏家ですから。
by jigen (2010-04-04 17:57) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。